カットを勉強していて、このように思ったことはありませんか?
ヘアスタイルの質感を調整する際に、セニングでしてみるけど何か物足りない。
もっと束感を出したいのに。
もっとふんわりした立ち上がりを出したいのに…。
普段使っているセニングシザーを使って質感調整をしても、思ったような質感を出せない時ってありますよね。
安澤 智美
記事をご覧いただきありがとうございます。
普段受講生からも、「この質感を出すにはどうすればいいの?」という質問をよく頂くんですよね。
もし、質感調整のための様々な技法を身に付けていたら、思い通りのスタイルを作ることができてカットがもっと楽しくなるのではないでしょうか。
ただ、そのために色々と調べてみても、いろんな情報が出てきてどこからどう勉強すればいいかわからないということもあると思います。
質感調整をする技法の1つに、ドライカットがあります。
この記事では、「質感調整の技術の幅を広げたい!」という方におすすめしたいドライカット3種とその効果を、動画を交えて説明します。
ドライカットの技術が身につくことで、技術の幅が広がります。
そしていつもと違う雰囲気の仕上がりになることで、あなたもお客様も感動のある仕事をすることが可能になります。
早速記事を読んでウィッグで練習して、お客様に素敵なスタイルを提供しましょう!
目次
1,ドライカットとは?
ドライカットは、髪の毛が乾いた状態でカットする技法です。
くせに合わせてカット出来たり、細やかな量の調整や、髪の毛の質感を調整することができます。
乾いていることで自然な生えぐせがでたり、1本1本がばらけることで、ごく微量なカットの調整が可能になるからです。
なのでヘアスタイルを完成させる上で、細やかな質感調整をしたり、スタイリングした時の髪の毛の動きの幅を広げたい時におすすめです。
そもそも質感調整って…なに?
カットでの質感調整とは、髪の毛の表情をコントロールする技術です。
具体的には、髪の毛を間引いて動きを出しやすくしたり、毛先を先細りにして毛流れを出しやすくしたりすることです。
ヘアスタイルにおける質感とは、例えば「重い」「軽い」「濡れた」「乾いた」「硬い」「柔らかい」などさまざまです。
それらはパーマ、カラー、スタイリングでもそれぞれ表現することができます。
安澤 智美
「こんな雰囲気に見せたい!」というスタイルに、
近づけることができますよ。
2,質感調整ドライカットの技法の種類と、それぞれの効果
細やかな量感や質感を調整するドライカットは、主に3種類あります。
①スライドカット
②ストロークカット
③エフェクトカット
それぞれどのような効果があって、どんな時に使うといいのかを紹介します。
安澤 智美
①スライドカット
スライドカットとは、引き出したパネル、もしくは毛束に対して、シザーを滑らせながら髪の毛をカットする技法です。
シザーを滑らせながら引き出したパネルを間引いたり、毛先を削り取ることをします。
スライドカットの効果
スライドカットの主な効果は、「束感を出す」、「毛先の方向付け」です。
出したい効果によってシザーをいれる場所が変わります。
スライドカットの基本のシザーワーク
まずシザーは、人差し指がネジ付近にくるように持ちます。
そして持っているパネル(もしくは毛束)に対して、動刃がパネルの上に、静刃がパネルの下になるようにシザーを入れます。
パネルの対してシザーが立ち上がった状態ではなく、寝ている状態(パネルに平行な状態)になるようにセットします。
次に、シザーを開いた状態から徐々に閉じながら、半月を描くように回転させます。
一度の開閉で、一束の髪の毛をシザーを回転させながらそぎ落とすイメージです。
このシザーワークを基本とします。
【束感を出す】
束感を出したい時は、引き出したパネルの間を間引くようにカットします。
束感を出したいところのパネル1.5センチ幅で、横スライス、もしくは縦スライスにとります。
どのくらいの幅の束感を出したいかを決めて、その幅分を残し、間の5ミリほどの髪の毛を間引くようにシザーをスライドさせます。
標準としては1.5cm残して、間の5ミリほどを間引きます。
その際にはセニングシザーで毛量をとる時のように、長さに対して2分の1や毛先3分の1のところなど、軽さを出したい位置に入れます。
そうすることで間引かれたところに空間ができるため、束感を出すことができます。
☆こんな時に使ってみよう!
・ショート~ロングスタイルの束感を出したい場所に。(主に表面が有効。)
・柔らかさや動きを出したい時に。
安澤 智美
立体的な動きを出すことができますよ!
【毛先の方向付け】
毛先の方向付けをする時は、毛先を束で持って、流したい側を削り取ります。
毛先の方向付けをしたい所を約1.5cm程の束で持ちます。
その毛束を自然に落ちる位置で持って、毛先を流したい側を、シザーを徐々に閉じながら回転させながらスライドカットして削り落とします。
例えば右に流したければ右側を、左に流したければ左側をカットします。
左右どちらかをスライドカットで削ったら、反対側に残る角を落とすことで、狙った方向に髪の毛が流れやすくなります。
スライドを入れる幅は、毛先約3センチほどが有効です。それ以上の幅の広い範囲でいれると、髪の毛がだれて流れにくくなってしまうので注意しましょう。
また、同じ要領で左右両方の角を均等に削り落とすと、毛先が先細りになって、軽い質感や、シャープな質感を出すことができます。
☆こんな時に使ってみよう!
・アウトラインや、前髪、表面の毛流れを出したい時に。
・シャープな毛先にしたい時に。
安澤 智美
髪の表情が出やすくなります!
②ストロークカット
ストロークカットとは、シザーを上下に振るように動かして髪の毛をカットしていく技法です。
つまみ持った毛束の内側に施していきます。
ストロークカットの効果
ストロークカットの主な効果は、「毛先を内巻きに収める」です。
毛束の内側に短い髪の毛を作るので、自然と毛先が内側に入りやすくなります。
ストロークカットの基本のシザーワーク
まずシザーは、人差し指がネジ付近にくるように持ちます。
そして手の平が自分側にくる向きに持ち、その状態で手首だけを動かしシザーを前後に振ります。
シザーは手前に来た時に開いて、奥に行った時に閉じるようにに開閉します。
シザーを振る際に肘ごと動かさないように注意しましょう。
肘ごと動かすことで、毛束に逆毛が立つようになってしまい、髪の毛を痛ませてしまう可能性があるからです。
手首のみ降るようにしましょう。
【毛先を内巻きに収める】
毛先を内巻きに収めたい時は、内巻きにしたいところを毛束で持ち、内側の髪をカットします。
約1.5×1.5cmの毛束を取り、とった毛束の毛先の左右を親指と人差し指でつまみ持ちます。
セニングシザーで毛量をとる時のように、長さに対して2分の1や毛先3分の1のところなど、軽さを出したい位置からシザーを入れます。
はじめにシザーを入れたところから徐々に毛先に向かってシザーを振っていきます。
毛先のぎりぎりのところまでシザーを入れましょう。
そうすることで、毛束の内側に密な段差ができて、毛先が内巻きに入りやすくなります。
☆こんな時に使ってみよう!
ボブスタイルなど、ふんわり内巻きに収まりを良くしたいときに。
安澤 智美
毛先がふんわり収まります。
毛先のぎりぎりまで入れないとボテっとしてしまうので
毛先の先まで!シザーを入れてくださいね!
③エフェクトカット
エフェクトカットとは、シザーの刃先をを真下に向けて、そこから手前に細かく振るように動かして微量の髪の毛をカットしていく技法です。
持った毛束の内側の、根元付近に施していきます。
エフェクトカットの効果
エフェクトカットの主な効果は、「根元の立ち上がりをつける」です。
毛束の内側にの根元付近に短い髪の毛を作るので、髪の毛を押し上げて立ち上がりやすくなります。
エフェクトカットの基本のシザーワーク
人差し指を動刃側のリング、薬指を正刃側のリングに入れ、ネジ付近に中指を置きます。
シザーの刃先が真下になるように持ち、中指でネジ付近を軽く押すようにして指先だけでシザーを振ります。
シザーが真下を向いている時はシザーが開いて、中指でシザーを押した時に閉じるようにします。
その動きを細かく、振るように動かします。
その際にシザーの刃先は、真下より奥側に行かないようにしましょう。
パネルを持ってカットする際に捕らえる髪の毛が多くなりすぎて、切り込みすぎてしまうからです。
常に真下から手前に動かすようにしましょう。
【根元の立ち上がりをつける】
根元の立ち上がりをつけたいところのパネルを、人差し指と中指で真上の方向に引き出します。
その際にパネルを持つ指は、地面に対して平行になるように持ちます。
シザーはそのパネルの根元から約1.5cm離れたところに、刃先を真下にしてセットします。
パネルを持つ指の指先だけを徐々に真上に起こして、髪の毛をぱらぱらと落とします。
それと同時にシザーは、中指でネジ付近を押して細かく降るように開閉させます。
シザーを振る際は、刃先が奥側に行かないよう真下から手前に振りましょう。
またパネルの一番表面には入れないようにします。
表面に短い髪が出てくるからです。髪の表面の約1.5cm手前までとしましょう。
☆こんな時に使ってみよう!
スタイルの表面や前髪をふんわりさせたいとき。
安澤 智美
切りすぎないように注意しましょう!
3,ドライカットする際は、ドライカット用シザーを使うと効率的
ドライカットをする際は、ドライカット用のシザーを使うことをおすすめします。
ドライカットをするのに最適なシザーの加工がされている為、髪の毛が引っかかることなく滑らせながらカットすることができるからです。
ドライカット用でないシザーでドライカットをすると、髪の毛が引っかかりやすく滑らない為、髪の毛が痛んだり、お客様は痛いと感じストレスを与えます。
ですので、ドライカットをする際はドライカット用のシザーを使いましょう。
4,ドライカット用シザーのおすすめは【Kreo(ケレオ)】
ドライカット用シザーには様々な種類がありますが、おすすめは日本カットアカデミーオリジナルシザー【Kreo(ケレオ)】です。
Kreo(ケレオ)をおすすめしたい理由は以下の4点です。
- 日本カットアカデミー独自の『やわらかスライド加工』
- 使いやすさを追求したサイズ、5.38インチ
- シザーにベアリングを搭載
①日本カットアカデミー独自の『やわらかスライド加工』
Kreoは、動刃に日本カットアカデミー独自の『やわらかスライド加工』が施されているため、引っかかることなく刃元から刃先まで毛を逃しながらスムーズにカットすることができます。
シザーは、肉眼では見えませんが表面に細かい溝を作ることで切れ味を調整します。
Kreoは、スライド用シザーとして何度も溝の度合いを試行錯誤し、切れ味と滑りの良さのバランスを追求したオリジナル加工が誕生しました。
髪の毛が引っかからない、スムーズなシザーワークをお約束します。
②使いやすさを追求した、5.38インチ
Kreoは、小回りの利きやすい小ぶりな5.38インチを採用しました。
ドライカットでは、シザーを回転させるように動かしたり、振ったりするため、大きめなインチ設定だとシザーワークがしづらいからです。
一般的なスライドシザーに使用される笹刃ではなく柳刃であるため、超軽量化を実現しました。
より繊細で細やかなシザーワークが可能です。
③シザーにベアリングを搭載
Kreoは、シザーのネジの部分にベアリングを搭載しているため、シザー開閉時の摩擦を減らします。
ドライカットはシザーの開閉数が多い技法です。
ベアリングが搭載されていることで、長時間スムーズに開閉することが可能です。
Kreoを使用されている方の口コミ
柔らかい切れ味で、引っかかりがなくスムーズにカットできる。
手にしっくりフィットして、とても使いやすい!
試しにKreoでカットしてもらったら、髪がつれる感じも全然なくて、なんだか心地よかった。
スムーズなシザーワークでデザインの幅を広げてくれるシザー、【Kreo(ケレオ)】。
是非ご活用ください。
安澤 智美
カットする側もカットされる側もストレスフリー。
試行錯誤を重ねたかいがあって…
本当におすすめできるシザーとなりました。
是非使ってみて頂きたいです!
5,まとめ
いかがでしたか?
この記事をまとめます。
- ドライカットは、癖に合わせてカット出来たり、細やかな量の調整や、髪の毛の質感を調整することができる。
- ドライカットは主に、スライドカット・ストロークカット・エフェクトカットの3種類。
- それぞれ特徴が違うので、スタイルや出したい質感に合わせて技法を選ぶ。
- ドライカットする際は、引っかかりのないドライカット用シザーがおすすめ。
- ドライカット用シザーでおすすめはKreo(ケレオ)。
早速ウィッグで練習しましょう!
今まで表現できなかった質感…こうすればできるんだ!を是非体感してください。
3つとも、もっとスローで見たいと思いました✨
木南さま
記事をご覧いただき、ありがとうございます。
そしてご意見もありがとうございます!
動画に関しては頂いたご意見を参考に、1週間ほどで修正できたらと思います。
是非トレーニングや日々の仕事にお役立てくださいね。
今後も皆様のお役に立てるような情報をお伝えしていけたらと思っています。
今後もよろしくお願い致します!