訪問美容師になるには?現役の訪問美容師が条件、資格、ルートを解説

『訪問美容師って、どうやったらなれるのだろう?』と、気になっているけれど、

なかなか一歩を踏み出せないという方もいるのではないでしょうか?

実は、訪問美容師になるには、そんなに難しくありません。美容師免許さえあれば今から誰でもなることが可能です。

ただし、美容師免許だけでは厳しいところもあります。

それはなぜかというと、介護力と訪問美容の知識スキルが必須だからです。

ここでは訪問美容師になるために、どういう勉強が必要なのか、どういうルートがあるのかを徹底的に解説していきます。

最後までしっかり読んでください。

これさえ分かればすぐに行動を起こせて訪問美容師への道が開けます。

記事執筆 現役 訪問美容師 橋本結希 橋本結希

訪問美容開始 :2012年 
訪問施設数  :25施設(1回の訪問で3~8名)
個人宅訪問  :約200名
1年間のカット人数:約2400名
スタッフ数  :1名 店舗あり
取得した資格 :美容師免許 介護福祉士(実務経験あり)

目次

1.訪問美容師ってどんな職業?

1-1 訪問美容の目的

次の方を対象に、ご自宅、介護施設、病院へ訪問し、美容サービスをご提供することが目的です。

  • 要介護や障がいをお持ちの方
  • 妊娠中の方
  • お怪我などで外出が困難な方

1-2 心の不安を取り除いてあげられる職業

要介護者は、体が動きづらくなり家から出ることが難しくなる方がいらっしゃいます。

今までは自由に外に出て、美容室に行っていました。

しかし、家から出られなくなってきて美容室に行けなくなり、髪の毛は伸びる一方です。

このままボサボサで過ごすことは、人として大丈夫だろうかという生命の危機のような不安を抱えます。

訪問美容は、その不安を取り除き、人に生きる力を提供できる職業です。

2.訪問美容師に必要な資格とは

2-1 実質必要なのは「美容師免許」のみ

訪問美容師に必要な国の資格はありません。美容師免許を取得していて、カットができれば誰でも今から訪問美容が可能です。

2-2 訪問美容師になるために重要なことは「介護力」

サロンの美容師と訪問美容師の決定的な違いは、介護という世界を知っているかどうかです。

訪問美容師になるには、介護の知識と技術を習得することが重要で、それが何より一番の近道となります。

訪問美容師になるには

2-3 必要な資格と3つの介護知識

必要・もしくは絶対にとっておくべき資格 は次の2つです。

① 美容師免許資格 (必須)
② 介護職員初任者研修課程修了資格

美容師免許が必須なのは、髪を切る行為をする際に必要な、国で定められている資格だからです。

介護職員初任者研修課程修了資格とは、 ヘルパー2級から名称変更された介護の入門資格です。

介護の基礎知識・スキルを証明するための入門資格として位置づけられています。

初任者研修の資格はなくても、訪問美容の仕事はできますが、取得した方が絶対に良いです。

なぜかというと、訪問美容師になる方が増えている中で活躍していくには、ただ美容師としての技術があるだけでなく、

介護の知識があり資格を持っている人が選ばれるからです。

資格がないと利用者の体を触って場所の移動をさせることが出来きませんし、

施設の種類ごとにスケジュールを把握して、時間を見積もりながら作業を行うことが求められますので、施設の知識も必要になります。

具体的に訪問美容師として必要な知識は次の3つになります。

① 介護全般の知識
② 介助(体のサポート)の知識
③ 介護施設に関する知識

    では、この3つの知識をそれぞれ見ていきましょう。

    2-3-1 介護全般の知識 

    介護全般の知識とは、次のような知識になります。

    ・どの様な方に介護が必要なのか。
    ・介護施設はどんなことをするのか。 
    ・誰が介護サービスを提供しているのか。 
    ・認知症とはどんな症状なのか。
    ・高齢者は個人宅で、どの様な生活をしているのか。

    介護全般の知識があることで、施設職員や家族への安心と信用に繋がります

    なぜかというと次のことが出来るからです。

    • 利用者や家族の想いや考えを汲み取ることが出来る。
    • 施設や介護職に携わっている方とスムーズに会話が出来る。
    • お互いの情報を共有出来る。

    これらが出来ることで「この美容師さんは勉強している」と思われて信頼に繋がります。

    2-3-2 介助の知識

    介助(カイジョ)とは、実際に人の身体に触れ支えることです。体のサポートの事です。(訪問美容に関して)

    訪問美容師になるには②

    施設訪問の場合と、個人宅の場合で異なりますので、それぞれを見ていきましょう。

    施設訪問の場合
    介助は必須ではありませんが、出来ることで時間短縮が出来て、売上が上がったり、リピーターを増やすことが出来ます。

    なぜ時間短縮になるかというと、介護業界は人材不足のため、施設の方が利用者を介助して、カットをする場所に連れて来るのに時間がかかるからです。

    美容師自身が介助をして、カットする場所まで誘導することが出来たら、時間短縮になります。

    大勢の方のカットが可能になるので売上アップにつながります。

    また、美容師が介助することで、施設の方の負担が減ります

    施設の方は自分の仕事に集中でき、訪問美容の時に自分の仕事に負担が無いと分かれば「次回もお願いしたい」となり、リピートにつながります。

    *施設によっては、施設の方が連れてこれず、美容師が連れてこなければならないところや、施設の方しか誘導できないところもあります。

    個人宅の場合
    介助が必須なケースがあります。

    なぜかというと、利用者と1対1になることがあり、自分で全て対応しなければならないからです。例えば次のような場合です。

    • ベッドから起き上がれない  → 介助をして起こして差し上げる
    • 立ち上がれない       → 立ち上がるための介助をする
    • 耳が遠すぎて会話が通じない → 大きな声で話す。筆談する
    • 認知症で繰り返し同じ話が出る→ 話しかけ方を工夫する

    介助の知識が無くて、もし転ばせてしまったり、怪我をさせたりしてしまったら、美容で喜んで頂くどころではありません。

    また、大腿骨や尾骨を骨折して寝たきりや歩けなくさせてしまうと、訴えられて賠償問題にもなります。

    そのため、介助の知識と技術を身につけることが重要になります。

     

    2-3-3 施設の知識

    介護施設がどの様に運営されているかを知ることも必要です。

    なぜかというと、カットに行く施設がどんな種類で、どの様な1日の流れなのかを知っておくと、カットがスムーズに出来て、

    利用者・施設・訪問美容師ともにWINWINな関係を築けるからです。

    運営状況は、施設の種類によって異なる下記の3つを知ることが大切です。

    • 利用者の入浴の時間、昼食の時間、お帰りになる時間
    • どの様なお身体の状態の利用者がいらっしゃるのか
    • 住まれている施設か、通われている施設か、数日だけ泊まりに来ている施設かどうか

    具体的には次のような知識が必要です。

    • 1日の中で午前中に入浴をしなければならない方がいらしたら、入浴の前にその方のカットが終わっている状態にする必要があるということ。
    • 昼食は全員揃って召し上がるので、それまでに終わっているように時間を計算する必要があるということ。
    • 体力が低下している方や、病気などの後遺症があって短時間しか座っていられない方は、短時間で仕上げる必要があるということ。
    • お帰りになるまでに、お願いされた人数が終わっている必要があるということ。

    上記のことから、利用者の体調やお身体の様子に合わせて動く、施設で決められた時間で動く必要があることがわかります。

    そのため、時間配分が鍵になります。訪問美容師は短時間で正確なカットが出来て、施設の運営を遮らないことが求められます。

    施設種類一覧
    この様にたくさんの種類があります。

    訪問美容師になるには③

    施設の種類は大きく分けて下記の図の3種類があります。種類ごとに流れが違いますので、図で見ていきましょう。

    訪問美容師になるには④

    施設の1日の動きを理解しておくことで、介護職員との会話もスムーズになります。

    「この美容師さんは、うちの施設を知ってくれている。」という高評価につながり、リピートに繋がります。

    2-4 取得すべき資格とスキルが学べる団体

    ここでは、選ばれる訪問美容師になるために、有効な資格とスキルが学べる団体をご紹介します。

    2-4-1 取得すべきは介護の資格

    介護の資格は次の図のようにステップアップ式でいくつかあります。

    訪問美容師になるには⑤

    この中で、訪問美容に必要な資格は介護職員初任者研修です。

    介護職員初任者研修は「介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修」(厚生労働省より)で、介護の基礎を勉強した証になる資格です。

    なぜ取得すべきかというと、理由は次の3つです。

    • これまでに見てきた「介護全般の知識」を学べるから。
      学ぶことで、介護のイメージが沸き仕事がしやすくなります。

    • 人を介助するときは介護職員初任者研修に合格していないと、人の身体に触ることが出来ないから。
      個人宅訪問をする場合、介助をすることが多くなります。そのため、必ず資格が必要になります。

    • 利用者や、家族、クライアントから安心と信頼されることに繋がるから。
      資格があることで、美容以外にもしっかりした介護の資格を持っている美容師さんということになります。

    介護職員初任者研修を取得できる団体(2021年7月調べ)
    ニチイ 
    料金:88,000円 (税込)
    会場の数が多く自分に合った日時で受けることが出来る。
    https://www.e-nichii.net/kaigo/kaigosyoninsya/  

    三幸福祉カレッジ 
    料金:87,780円(税込)
    受講料は中間くらい、開口日数が少なくすぐに埋まってしまうので、早めの予約が必要。
    https://www.sanko-fukushi.com/course/shoninsha/

    ベネッセ 
    料金:60,720円 (税込)
    受講料は安いが、会場の数が少ない。自分の住んでいる地域から離れた所に通うため、交通費がかかる。
    https://shikaku.benesse-style-care.co.jp/intro_training

    2-4-2 「認知症サポーター養成講座」

    「認知症サポーター養成講座」という無料で認知症の講座を受けることが出来ます。
    http://www.caravanmate.com/aboutus/

    全国各地で開催されているので、お近くの地域で探してみて下さい。
    https://www.city.funabashi.lg.jp/kenkou/kaigo/006/p004501.html
    そこで認知症講座を受講するとオレンジリングが貰えます。

    これを持っている人は、認知症の勉強を完了したという証になります。

    2-4-3 訪問美容スクール

    訪問美容師になるには⑥

    介護の資格と合わせて学んでおきたいのが、次の3つです。

    • 訪問美容師に特化した介護の知識
    • 訪問美容師に特化した介助技術
    • 訪問美容師に特化した美容技術

    なぜかというと、初任者研修は介護の知識と介助技術を学びますが、訪問美容に特化した内容ではないからです。

    そのため、カットする際に必要な介助の仕方や、利用者様の状態に応じたカットや会話のテクニックなど、

    その他にも訪問美容に特化した内容を知る必要があります。

    この訪問美容に特化した介護や美容技術を学べるのが、訪問美容スクールです。

    訪問美容スクールで学ぶことで、すぐに訪問美容師として施設にも個人宅にも訪問することが可能になります。

    訪問美容に必要な介護の知識と介助技術を学ぶだけでなく、実際に現場で通用する技術と知識が手に入るからです。

    おススメは日本カットアカデミーです。日本カットアカデミーは、カットを教えるプロの講師から直接カットを学べるカットスクールです。

    コースの中に、訪問美容コースがあります。

    おススメの理由は、次の2つが可能になるからです。

    【理由①】速く切れるカット技術を習得するだけでなく、利用者様が満足するカットを提案することが可能になる。

    可能になる理由は、サロンの経営の傍らカットを教えている講習や、先輩スタイリストから教えてもらうのとは異なり、

    カットを教える専門団体なので、教えるプロから直接カットを理論的にしっかり学べるからです。

    【理由2】訪問理美容の現場でのリアルな介助や利用者様の状態に合わせた対応が可能になる。

    訪問美容で成功している介護の上級資格を持った美容師から直接学べるからです。

    現場の対応だけでなく、仕事を広げていく営業の方法まで知ることが出来ます

    参考:「日本カットアカデミー」

    3.一人前の訪問美容師になるまでのルート

    この章では、1人前の訪問美容師になるまでのA~Eの5つのルートをご紹介します。

    あなたが現在、スタイリストなのか、アシスタントなのかでルートが変わります。それぞれのルートの詳細を見ていきましょう。

    3-1 あなたがスタイリストデビューしている場合

    3-1-1. Aルート(おススメ!)  

    スタイリストはAルートがおススメです。なぜかというと、訪問美容師デビューが1番早いルートになるからです。

    早く仕事に就きたい方はこちらのルートで進んでください。

    STEP①訪問美容スクールに通って学ぶ
    訪問美容スクールに通えば訪問美容師デビューが可能になります。

    スタイリストの技術はすでにあるので、スクールで、次の3つを学べば、現場に入る技術と知識は習得できている状態になるからです。

    • 訪問美容での速く切るカット方法
    • 訪問美容での介助の仕方
    • 訪問美容での介護の知識

    訪問美容のスクールについては2-4-2. 訪問美容スクールを参考にしてください。

    STEP②訪問美容師デビュー
    訪問美容を行っている会社に就職するか、自分で開業して仕事をしていきます。

    開業については、4-1自分で開業する方法 で詳しく解説していますので、こちらをご参照ください。

    STEP③働きながら介護職員初任者研修の資格を取る
    就職と同時に初任者研修の資格を取得しに行きましょう。この資格を持っている美容師の方が、信頼と安心感があるからです。

    確実に取得しましょう。

    3-1-2. Bルート

    訪問美容の会社に就職し、訪問美容師アシスタントとして働きながら学んでいくルートです。

    お金をもらいながら、成長できるのが特徴です。

    ただし、スタイリストの採用しかしていない会社が多いです。

    アシスタントを採用していないということは、教育の意図がないので、教育体制が整っていいない会社がほとんどです。

    就職前にデビューまでの流れや、期間を確認して就職するようにしてください。

    STEP①訪問美容の会社に就職

    STEP②働きながら介護職員初任者研修の資格を取る

    STEP③訪問美容師デビュー
    会社で規定されているデビューの条件を満たしてデビューになります。

    3-1-3. Cルート

    美容室のスタイリストから、そのまま直接訪問美容師として働くルートです。

    訪問美容師という資格はないので、美容師であれば「私は訪問美容師です。」と名乗れば訪問美容師であるということになります。
      
    ただし、このルートはおススメしません。なぜかというと、2-3. 3つの介護スキルと必要な資格 で書いた通り、介護力が無いので、

    利用者様に怪我をさせてしまったり、認知症の方などは途中でカットを中断してしまったり、問題が出てくるからです。

    このルートはおススメしません。

    STEP①訪問美容師デビュー

    STEP②訪問美容の会社に就職or開業

    訪問美容師になるには⑦

    3-1-4. Dルート

    初任者研修を取得した後、個人的に介護施設等に見学に行って、実際の介護の現場を体験してから、デビューしていくルートです。

    STEP①介護職員初任者研修の資格を取る

    STEP②個人的に介護施設に見学に行って介護について学ぶ&体験する

    認知症など、利用者様のさまざまな状態の方と接して、対応の仕方や介護について学び、訪問美容師デビューしていきます。

    STEP③訪問美容師デビュー

    STEP④訪問美容の会社に就職or開業

    3-1-5. Eルート

    NPO法人などが1日だけの訪問美容師講座を開いていますので、そちらに参加してデビューするルートです。

    受講料は1万円程度。その場で認定証を発行してくれます。ただし、おススメは出来ません。理由は次の3つです。

    • 公的な証明にはならない
    • 実際にご高齢者に対してのカットの内容はカリキュラムにないため、経験値が薄く実際の現場で戸惑う
    • 1日しかないので、説明を聞くだけで終わり、技術は身につかない

    STEP①1日だけの訪問美容師講座に参加して認定書を取得

    STEP②訪問美容師デビュー

    STEP③訪問美容の会社に就職or開業

    3-2 あなたがスタイリストデビューをしていない場合

    次に該当する方はこちらのルートになります。

    • 美容師免許を取ったばかりで経験がない方
    • アシスタントの方
    • ブランクがあり、技術の感覚を取り戻して訪問美容師に挑戦したいという方

    ここでは、スタイリストデビューをゴールにしています。なぜかというと、カットが出来ないと訪問美容の仕事が出来ないからです。

    まずは、カットの技術を身に着けて、スタイリストデビューをしてください。そして、3-1.あなたがスタイリストデビューしている場合 を参考に訪問美容師デビューしてください。

    3-2-1. Aルート(おススメ!)  

    このルートが一番おススメです。

    なぜかというと、美容室での教育と外部の講習やスクールで学ぶことで、短期間で技術を身に着けて、スタイリストデビューが早いからです。

    教育体制の整っている美容室に勤めていると、スクール、外部講習、初任者研修で技術を修得することも併用すれば、2年ほどで訪問美容師デビューが可能です。

    STEP①美容室に勤めながらカットスクールに通ってカット技術を習得
    カットスクールに通う理由は、お店だけだとカット技術を習得するのに3年~5年かかるからです。

    それから訪問美容師を目指そうとすると、訪問美容師になるのがかなり先の話になります。

    カットスクールに通うことで、早期カット技術習得が可能になります。カットが早くできるようになることで、カットの経験値が短期間でも沢山積まれます

    そのことで、訪問美容師デビューした時に技術力があり、経験が生かされます。

    まったく経験がない方でも、受講可能なところがありますので、なるべく早くカットスクールを受講し始めてください。

    おススメのカットスクールは、2-3-5. 訪問美容スクール で紹介している日本カットアカデミーです。カット技術だけでなく、訪問美容コースもあるので、効果的に学ぶことが出来るからです。

    STEP②シャンプー、カラー、パーマ、ブローの技術を勤め先の美容室や外部講習で学んで習得

    美容室で教えてもらうことに加えて、カット以外の技術も積極的に外部講習を利用して、STEP①と同じように早期技術習得に取り組んでください。

    STEP③働きながら介護職員初任者研修の資格を取る
    初任者研修の日程を確認して、カットスクールの受講前後で取得してください。

    なぜかというと、初任者研修の資格も取得しておくことで、スタイリストデビューと同時に訪問美容師デビューも可能になるからです。

    STEP④スタイリストデビューor訪問美容師デビュー

    STEP③で初任者研修の資格を取得していますので、訪問美容師としてのデビューも可能です。

    3-2-2. Bルート

    美容室に勤めて、シャンプーや、カラー、パーマ、カットの全ての技術を教わります。

    Aルートよりスクールに通ったり、外部講習に参加しないので、お金はかかりません。

    かわりに、訪問美容師デビューまで4年~5年以上かかります。

    STEP①美容室に勤める

    STEP②美容室にてシャンプー、カラー、パーマ、ブローの技術を習得

    STEP③スタイリストデビュー

    3-2-3. Cルート

    務めることなく、カットスクールでカット技術のみを修得して、カットのみのスタイリストデビューをするルートです。

    訪問美容の施術の7割がカットです。施設によっては、カットしかしない施設がありますので、そういった施設で訪問美容の仕事を行うことが可能です。

    また、他のカラー、パーマなどの技術もできるようになりたい場合は、外部講習に通い練習することで、習得することが可能です。

    STEP①カットスクールに通って学ぶ

    STEP②カットのみのスタイリストデビュー

    3-2-4. Dルート

    1,000円カットの会社に勤めて、お給料を貰いながらカットの勉強をします。こちらもカットのみ出来るスタイリストになります。

    ただし、1,000円カットの会社は、スタイリスト募集の会社が多いのであまり期待はできません。

    1,000円カットの就職については、次の記事でまとめていますので参考にしてください。

    参考:「ブランクのある美容必読!復帰について知りたい11のQ&A」

    STEP①1,000円カットのお店に勤める

    STEP②カットのみのスタイリストデビュー

    4.訪問美容師として働くには「自分で開業」or「企業に属して働く」の2択

    4-1 自分で開業する方法

    自分で開業する場合は、各市町村の保健所での規則を確認します。

    店舗を持っていない訪問美容師さんは、保健所にて訪問美容を開始するための届け出を行う必要がある場合があります

    自分の市町村がそれに当てはまっているかしっかり確認をしましょう。

    その後、介護施設やケアマネージャーに営業をして、お客様を獲得し、施設や個人宅へ伺います。

    メリットとデメリット
    【メリット】
    自分で働く日数を決められるため自由に仕事が出来る。たくさん働けば収入アップ。

    【デメリット】
    顧客獲得の営業をする必要がある。クレーム対応も全て自が行う。収入は働く日数や時間で変動する。


    月の収入:30万~50万
    月の勤務日数:25日
    保険:国民健康保険 任意保険

    4-1-1 出張業務に必要な届け出

    各地域の保健所によっては、訪問美容業を行うことを申請する必要があるところがあります。

    各地域の保健所によって申請の仕方が異なりますので、お近くの保健所に問い合わせるか、保健所のホームページをご覧ください。

    ※出張届け出書類例※
    *船橋市保健所データ引用

    • 出張業務届
    • 理容師・美容師の免許証
    • 理容師・美容師の結核、皮膚疾患その他厚生労働大臣の指定する伝染性疾病の有無に関する医師の診断書(1ケ月以内のもの)
    • 出張業務で使用する携行品、消毒用品 

    美容室をお持ちの方は美容所開設届を保健所に提出していますので、届け出は必要なく訪問美容が可能です。

    4-1-2 出張業務を行うことができる場合・規則

    出張業務はどんな人にでも出来るということではありません。

    日本国憲法の中の美容師法施行令第4条第1号で定められているからです。

    美容師法施行令第4条第1号

    • 疾病その他の理由により、理容所・美容所に来ることができない者に対して理容・美容を行う場合
    • 婚礼その他の儀式に参加する者に対してその儀式の直前に理容・美容を行う場合
    • 特別養護老人ホームその他これに類するものに入所している者に対し理容・美容を行う場合
    • 演芸等(演芸、音楽、講演その他の公衆に見せ、又は聞かせるものをいう。)に出演する者に対して、その演芸等の直前に理容・美容を行う場合。

    厚生労働省のホームページにも詳しく記載されていますので、どの様な方が対象なのかをしっかり確認して、違反の無いようにしましょう。

    参考:「厚生労働省ホームページ」

    4-2 企業に属する方法

    訪問美容専門の会社があるので、そこに勤めて介護施設に行ってカットなど施術を行います。

    特別養護老人ホームなどに3名の美容師が行って、利用者様20名程カットをしたり、カラーやパーマを行ったりします。

    メリットとデメリット
    【メリット】
    就職すると社内で研修があり、少しずつ出来るようになる。顧客獲得の営業をしなくても良い。

    【デメリット】
    報酬が少ない。個人宅1軒行くと1000円。介護施設にて1名カットすると500円で1日に大人数カットしなければ稼げない。


    【正社員】
    月の収入:19万~30万
    月の勤務日数:25日
    保険:社会保険 
    使用期間:1か月~3か月

    5.現役訪問美容師が語る!私が訪問美容師になるために行った勉強・準備

    5-1 始めるまでの流れ

    【訪問美容師になろうとしたきっかけ】
    祖母をカットしたのがきっかけです。

    私の祖母は、リウマチで手足が動き辛くなり、外に出られなくなってしまっていました。

    美容室に行けず、困り果てた叔母から相談を受けてカットしました。

    その時に「祖母の様に、困っている人がたくさんいるかもしれない。」と思った時に「いずれ訪問をやる。」と決めました。

    【どうやったらなれる?】
    2012年に勤めていた美容室のお客様から、「訪問美容を私の施設でやって欲しい。」とお願いされたことがきっかけでスタートしました。

    けれど当時は、やり方が分からず誰かに教えてもらおうとネット検索をしました。

    訪問美容で検索したら近隣でヒットは1件でした。当時はまだ訪問美容師という言葉が無く、聞ける人がいませんでした。

    結局その人には聞きに行かなかったのですが、その人のプロフィールに「ヘルパー2級取得(現在の介護職員初任者研修)」という文字がありました。

    その資格はなんだろう?と思い検索し、介護の資格だということが分かりました。

    訪問美容を教えて貰える人もいないので、介護の勉強をすることが訪問美容に繋がると思い、まずヘルパー2級を取りに行きました。

    【訪問美容開始】
    介護の知識が無い中、先に訪問美容を始めたので、認知症の方と接したときには衝撃的で、対応の仕方が分かりませんでした

    カットどころかカウンセリングを「どうしよう」と思いました。

    その後、ヘルパー2級講座の中で認知症についてとか、介護施設の種類などを勉強しました。

    勉強後に、訪問美容に行ったときはスムーズに対応できたのを覚えています。

    気づいたことは、以下の2つです。
    介護に携わるのであれば、介護の事を知る。
    介護施設に訪問するのであれば、相手の事を知る。

    5-2 介護の事を知る

    介護・障がいなど、お身体の不自由な方のところへ伺いますから、『訪問+美容師』さんです。

    既にスタイリストの方は美容師ですので、訪問美容師になるには訪問先の事を知ることが必要です。

    以下の様なことから調べ始めたり、施設のスタッフさんに質問したりして、知識を増やしていきました。

    • 介護施設ってどんなところ?
    • どんな種類があるの?
    • どんな人が利用するの?
    • 認知症とはどんな症状?
    • ヘルパーさんってどんな仕事をしているの?
    • ケアマネージャーって誰?

    私が訪問美容師になりたいと思った時には、まだ訪問美容師講座というものは無く、1日だけの勉強会だけがありました。

    そこに行って勉強したり、介護施設にパートで勤めて実務を行ったりして、ご利用者様との接し方や介護施設の運営について学んで行きました。

    訪問美容に関しては手探りで行ったりして、失敗を繰り返しながら学んで行き、3年程経った時にようやくスムーズに出来るようになったと感じました。

    5-3 まずはカットのみの訪問 それから道具を揃えていく

    【まずはカットのみ】
    最初からトータル美容をしようとはせず、カットのみでスタートしてみました。

    そもそも様々なご高齢者に対してカットが出来なかったら、シャンプー台で頭を流す作業はもっと難しいので、焦らず一歩ずつ進めていきました。

    【道具を揃えるのは徐々に】
    信頼関係が築けて来た頃に「カラーとパーマのご要望があるのですが可能ですか?」と聞かれることが多くなりました。

    少しずつ移動式シャンプー台など道具を用意し、割とお身体が動きやすい方からカラーやパーマをしていきました。

    祖母を練習台にしてカットパーマシャンプーもしていました。そして、トータルで美容サービスを行うことが出来るようになりました。

    6.訪問美容師になるために必要な勉強方法

    6-1 何をどこで勉強するの?

    私が経験した様に、介護職員初任者研修や介護施設のスタッフさんに質問して知識を増やしていくのも1つの方法です。

    しかしそれでは、時間がかかります。何故ならば、ご利用者様のお身体の具合は1人1人違うので、症例や介助方法を掴んで対応出来るようになるまでに苦労したからです。

    5章でお伝えしましたが、私が訪問美容師になりたいと思った時には、まだ訪問美容師講座というものは無く、細かいところまでを教えて貰うことが出来ませんでした。

    けれど今は、訪問美容スクールなどがありますので、どのような症状の方がいらしても対応できるように講習会に行って対応策を学べます。

    また、訪問美容に必要な介護力《介護全般の知識、介助(体のサポート)の知識、介護施設に関する知識》を習得できます。

    6-2 介護や訪問美容について学ぶ

    利用者のお身体が楽な状態でご希望通りのカットをする方法を知ること、介護や施設について学ぶことは、

    利用者のお身体に対しての事故の予防そして信頼のある訪問美容師になることに繋がります。

    訪問美容には介護の知識と訪問美容特有のカット技術が必要です。

    しっかり学んでから訪問美容師として多くの皆様に貢献されることを祈っております。

    7.よくある5つのQ&A

    7-1.Q. 道具は何が必要ですか?

    A. 訪問美容を始める時は、カットのみの訪問から始めて、慣れてきて、カラーやパーマのご要望が多かったら、シャンプー台などの道具を揃えましょう。

    【必要な道具】
    下記があればカットのみの訪問美容可能です。
    ・シザー ・コーム ・トリマー(バリカン) ・カットクロス ・タオル ・ドライヤー  ・各種ロールブラシ ・スプレイヤー ・スリッパ(室内履き) ・シート ・掃除道具
    ・保健所規定の各種消毒液 ・車

    7-2.Q. 病気などは移りますか?

    A. 病気を持っているイメージがある方が多いですが、ご高齢者のほとんどの方が移る病気
    を持っていることはあり得ません。

    そのため、心配は要りません。まれに移る病気の方もいらっしゃいますが、施設職員さんが対応してくださいますので、ご安心ください。

    皆様、普通に生活されています。ご自分のお祖母様と接しているようなイメージを持ってください。

    7-3.Q. ご高齢者とどのように接したら良いですか?

    A. 人生の先輩ですので緊張するという方も多いですが、家族と話をするような感覚で、接
    して頂ければ大丈夫です。

    ただし、耳が遠い方や、認知症の方への会話は、勉強と慣れが必要です。
    そして、人生の先輩なので敬語を使用しましょう。

    7-4.Q. 在宅でカラー、パーマはどの様に行いますか?

    A. 移動式シャンプー台を購入すれば、お部屋のどこでもシャンプーが可能です。

    無い場合は、お家の洗面台にシャワーがついていて、前かがみの態勢が取れれば可能です。

    7-5.Q. ベッドに寝たままカット出来ますか?

    A. 練習が必要ですが、可能です。ただし、介護技術の体位交換をマスターする必要があります。

    体位変換とは、長時間同じところを圧迫しないために、原則として1~2時間に1度行う必要がある日常的な援助技術です。

    8.まとめ

    いかがでしたか?
    訪問美容師になるためのポイントをまとめると、以下のようになります。

    • 訪問美容とは、人に生きる力を提供できる職業。
    • 訪問美容師になるには介護全般の知識、介助(体のサポート)の知識、介護施設に関する知識が必要。
    • 最短ルートは訪問美容スクールを受講し、初任者研修を取得する。
    • 働き方は自分で開業するor勤めることの2択。法律と保健所への届け出を守ること。
    • 信頼有る訪問美容師になるには、相手の事をよく知ること。
    • スクールで正しい訪問美容技術と介護について習得する。

    訪問美容師になるには、どの様なステップを進んでいけばいいか明確になりましたでしょうか?

    美容師だから、すぐに訪問美容師になれるかというと、そうではありません。

    まず、皆さんが抱いている疑問をクリアにする事が必要です。それは、介護の事を学ぶことでした。

    この記事を読んで、訪問美容師になるために行動してみて下さい。

    皆さんが要介護者の方に対して生き生きと貢献されることを応援しています。

    コメント

    「訪問美容師になるには?現役の訪問美容師が条件、資格、ルートを解説」に対する6件のコメント

    1. 今失業中なので、オンラインのカットスクールを利用して、カットの基本を学びスタイリストになる事が近道かなと思いました。何かアドバイスがありましたら教えてください。

      1. 皆川さま
        お返事大変遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます。
        今後訪問美容師として活動することをお考えでしょうか?

        カットのみに関してはオンラインのセミナーで技術を習得することが可能です。
        シャンプーやパーマ・カラーに関しては、サロンワークで技術を身に付けていく必要があるかと思いますので、サロンワークを併用することをおすすめします。
        訪問美容ではカットだけでなく、パーマやカラーの要望もあるからです。
        コメントいただいた時と現在とでは状況が変わっているかもしれませんが、もし現在もお勤めでないということでしたら、この時間をカット習得の時間として使っていくことで、今後の活躍に向けて、スムーズに進められるかと思います。
        当社では11ヵ月間でカットをマスターする「マスターカットコース」があります。
        その中でカットの基礎~応用、更にはカウンセリング法なども学ぶことができる内容となっております。
        訪問美容師の方向けのカリキュラムもございますので、ぜひこちらもご覧ください。

    2. こんにちは。
      訪問美容師になりたくて美容師に戻りもうすぐスタイリストに上がれそうなのですが、ある程度はスタイリストとして力をつけてからの方が訪問美容師としてやっていきやすいですか?

      以前は病院で働いていた事もあるので少しは介護について知識はあるのですが、どんな流れで美容師をしながら介護の資格を取っていけばよいか、美容室を辞めて専門の所に入るべきか早く訪問美容師になる為の良い方法があれば教えて頂けると嬉しいです。

      よろしくお願い致します。

      1. 黒川様
        コメントありがとうございます。

        状況からのおすすめは、スタイリストデビューして、入客する際にカットのタイムがより早く切れると、訪問美容の現場で役立ちますので、カットのタイムのみで最低20分以内に切れるかどうかをタイマーを入れながら入客してみることをお勧めします。そして、スタイリストとして経験を積みながら、まず、とっていただきたい資格が次の2つです。
        認知症サポーター、初任者研修

        スタイリストをしながらこれらの資格を取ったら、訪問美容の専門会社に入社してお仕事経験を積まれるとこをお勧めします。

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